佐佐木高行 宛

佐佐木高行 宛 坂本龍馬の手紙 原書と現代文翻訳

佐佐木高行 宛

原文
只今戦争相すみ候処、然るに岩弥、佐栄兼て御案内の通りに、兵機も無之候へば無余儀敗走に及び候。独り菅、渡辺の陣、敵軍あへて近寄り能はず、唯今一とかけ合はせは仕り候。当る所ひらき申候。秘かに思ふ、富国強兵、且雄将のはたらき、東夷皆イウタンを落し申さんと奉存候。卯九月梅拝佐々木先生
現代文
ただいま、銃器の買い付けが済んだところです。岩崎弥太郎(土佐藩郷士)、佐々木栄(海援隊士)かねてご案内の通り、兵器もなければ敗走に及ぶと思います。菅(菅野覚兵衛:海援隊士)、渡辺(渡辺剛八:海援隊士)の陣にあえて幕府軍が近寄れば、能もなく、只今一掛け合わせ出来る。また、当たるところ開くと言う(軍を軽く当てれば幕府の陣が開く)。密かに思うに、富国強兵、かつ、勇将の働き、東夷(中国方面の民族の名称)みんなイウタンを落し(溜飲を下げる:すっきりする)と言うでしょう。※西洋に浸食されているアジアがこのように兵が強くなり富国強兵がなればアジア民族は憂鬱な気分が晴れるでしょう。1867年9月梅(龍馬変名)佐々木先生(佐佐木高行:土佐藩士)

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