佐佐木高行 宛

佐佐木高行 宛 坂本龍馬の手紙 原書と現代文翻訳

佐佐木高行 宛

原文
唯今長府の尼将軍、監軍熊野直助及二人、わらはお供し押来りて、吾右軍と戦ハんとす。かぶらやの音おびたしく、既ニ二階の手すりにおしか〃りたり。別ニ戦を期せし女軍未来。思ふニ是ハ我ガをこたるを待つて虚を突かんとの謀ならんか。先ヅ吾レ先々の先を以て此方より使ヲはせ、或は自ら兵に将としておそふて、とりことし来らんかとも思へり。将軍勇あり義あらバ、早く来りて一戦志、共にこ〃路よきお致さん。先は卒報如此。謹言。唯今龍佐々木大将軍陳下楳拝首
現代文
ただいま、長府の尼将軍(長府藩士泉十郎の未亡人)と、軍艦の熊野直助(長府藩士:報国隊員)及び2名が供をしてこちらへ来ました。そして我が軍と戦いましょうと言う(飲もうとのこと)。かぶらや(音がなる弓矢)の音おびただしく、すでに二階の手すりにも飛んでくる。別に戦(宴会)を求める女軍(女性達)はまだ来ない。思うに、これは我らが来るのを待って虚をつくはかりごとかもしれない。まず我々の先々のことを読んでこちらに使いを寄こしたか、或いは自ら将となって私を虜(捕虜)にする魂胆かとも思う。将軍は勇気があり義もあるので早く来て、共に楽しく飲みましょう。まずはその旨お知らせします。龍馬佐々木大将軍(佐佐木高行:土佐藩士)

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