佐佐木高行 宛
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先、西郷、大久保越中の事、戦争中にもかたほにか〃り一向忘れ不申、若しや戦死をとげ候とも、上許両人の自手にて唯一度の香花をたむけくれ候得バ、必ず成仏致し候こと既に決論の処なり。然るに唯今にも引取り可申とて糞をくらへと鎮台に攻かけ居り候。何とぞ今少し々と待つてたべと申来り候間、例の座敷をことはり候て、皆はねかえり足を空にして昼寝をし居申候。何は兎もあれ他人は他人にして置き、西郷、越中守殿の方へは、必ずや御使者御頼み申上候。是が来らぬと聞けば、小弟に限りなげき死に可申候。其心中返すゞも深く御察し可被遣候。かしこ。佐々木将軍陣下龍 |
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まず、西郷(西郷隆盛)、大久保越中(大久保一翁:幕府高官)のことは戦争中どちらか片方でも一向に忘れることはない。若くして戦死しようとも上記ご両人の自らの手でただ線香と花をたむけてくれれば必ずや成仏できると思います。しかし、すぐにでも引き取ると言っているが、糞くらへと、鎮台(長崎奉行所)に攻めかかりたいと思ってます。何卒もう少し待って下さいと言ってくるが、例の座敷を断ってみんなはねかえり足を空にして居眠りしています。何はともあれ他人は他人、西郷、越中守殿(大久保一翁)の方へは必ずや使者を出すことをお頼みします。心の中を返す返すも深くお察し下さいませ。佐々木将軍(佐佐木高行:土佐藩士)龍馬 |
坂本龍馬の手紙139通(現代翻訳文)一覧
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