桂小五郎 宛

桂小五郎 宛 坂本龍馬の手紙 原書と現代文翻訳

桂小五郎 宛

原文
ますますご安泰大賀奉り候。然るに先日は薩行き遊候と承り候えども、長崎においても折あしくご面会申上げず、まことに失敬のことこの頃は東廻りにてご帰国と存じ奉り候ところ、存外お手間とり候て昨日お帰りと先刻承り候。弟このたびは万々お礼も申し上げ、少々お聞に達しおきたき事もこれ在り候て、お尋ね仕り候。また承り候えば、はや明日ご出船と、定めてこの頃ご多用に候べしと存じ奉り候えば、事により近日山口までもお尋ね申すべきかと存じ奉り候間、なにとぞご面倒ながら御足お止められ候ところを一筆お印おき遣
わさるべきよう希み奉り候。頓首。十五日追白、弟ただ今は伊藤助太夫にとまり居り申し候。再拝々。坂本龍馬木圭先生机下
現代文
ますますご壮健で何よりです。さて、先日の薩摩行きは遊行(新婚旅行)とお聞きかと思いますが、長崎においてもタイミング悪くお会いできず、まことに失礼しました。瀬戸内海廻りで昨日帰国したとのことを先ほどお聞きしました。この度は色々とお礼を申し上げたいのと、少々お耳き入れたいこともございますのでお尋ね出来たらと思います。聞いた話では、すぐまた明日ご出船とのことで、非常にご多用のかとは思いますが近日中に私が山口まで会いに行きたいと思ってます。何とぞご面倒とは思いますが、足を止めておいては頂けないでしょうか。15日追伸、只今私は伊藤助太夫(下関の豪商)宅に泊まっています。坂本龍馬木戸先生

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