坂本権平 宛
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一筆書かせて頂きます。最近はますます寒くなってきましたがお過ごしでしょうか。私は 相変わらず元気です。ご安堵して下さいませ。さて、別紙にしたためたことなどを率直に聞かせて頂けたら、近年度中に出陣するかもしれない時も心残りはないのですが。何とぞ誰かを長崎の方に使いにだして下さいませ。このお願いは古人も言う通り、国家難に臨む際には家宝の兜をわかち(分け与える)、または、宝剣をわかちなどというではありませんか。何とぞお願いを叶えて下さるよう品物を送って頂けたら、死出の時、なおも家族の気持ちが側にあると思える。何とぞお願い致します。もし送って頂けるようなら別紙にある通りの場所までお願いします。なお後日送ってくれることを期待しています。1866年12月4日坂本龍馬兄上へ |
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一筆啓上仕候。寒気節益御安養可被成御座、奉大賀候。降而私儀無異儀相暮申候。御安慮可被遣候。扨別紙ニ認候事ども御直ニ御聞被成候得バ、自然近年中御出軍の時も、よ程御心当ニも相成申べく、何卒たれか長崎の方ニ御遣可被成や奉伺候。此頃願上度事ハ古人も在云、国家難ニのぞむの際ニハ必、家宝の甲を分チ、又ハ宝刀をわかちなど致し候事。何卒御ぼしめしニ相叶候品、何なり共被遣候得バ、死候時も猶御側ニ在之候思在之候。何卒御願申上候。御遣しニ相成候時別紙の通の当所に御達可被遣奉願。猶後日之時を期候。恐惶謹言。寅極月四日龍馬尊兄膝下 |
坂本龍馬の手紙139通(現代翻訳文)一覧
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