印藤聿 宛
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二白、今夜も助太夫とのみ呑ており申候。昨夜道路中うかゞい候事件色々相考候所、何レ急成ハかへりて両方の志通じかね候ヘバ、何を申ても共に国家をうれへ候所より成立候論なれば、両方の意味が通達して両方から心配して其よろしきおへらみ候方よろしく、そふなけれバ両方より道也、義也と論を吹合候よふニなれバ、かへりてがいを生じ候べく、談笑中ニともに宜を求め候よふでなけれバ、とても大成ハなりがたくと奉存候。何レ御深慮千万の中と奉存候。右御報拝捧候。十二日龍印藤大兄足下猶けふハ船の事大ニ御セ話被遣候。御礼千万語言にかへかね候。〇いさ順助兄も唯今出崎時計御頼ニ候て御帰り被成候。再拝々。印藤大将軍陣下龍返報入 |
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追伸、今夜も伊藤助太夫と飲んでいます。昨夜から貴方からご相談された件で考えていました。何にしても急ぎすぎてはかえって双方の心が通じないことと思います。、何と言ってもお互いに国家のことを憂いていることは同じてあり、双方の考えを理解しあうことが大事です。そうでなければ、双方あれやこれやの議論になり、かえって障害が発生することになります。笑いなどを絡めて和やかな会談にしなければとても大成させることは難しいと思う。何にしてもよく考えないといけないですね。その旨、上記の事ご報告致します。12日龍馬より印藤聿様へ※印藤聿(長府藩士でのちの豊永長吉)なお、本日は船のことで本当に世話になりました。お礼の言葉もありません。順助兄(小野淳輔のことで、甥の高松太郎が改名した名前)もただいま外出先から帰ってきました。印藤聿様へ龍馬より |
坂本龍馬の手紙139通(現代翻訳文)一覧
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