坂本乙女 宛(姉乙女に千葉佐那を紹介)
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此はなしハまづ々人にゆハれんぞよ。すこしわけがある。長刀順付ハ千葉先生より越前老公へあがり候人江、御申付ニて書きたるなり。此人ハおさなというなり。本ハ乙女とい〃しなり。今年廿六歳ニなり候。馬によくのり剣も余程手づよく、長刀も出来、力ハなみ々の男子よりつよく、先たとへバうちにむかしをり候ぎんという女の、力料斗も御座候べし。かほかたち平井より少しよし。十三弦のことよくひき、十四歳の時皆伝いたし申候よし。そしてゑもかき申候。心ばへ大丈夫ニて男子などをよばず。夫ニいたりてしづかなる人なり。ものかずいはず、まあ々今の平井々。〇先日の御文難有拝見。杉山へ御願の事も拝見いたし候。其返しハ後より々。十四日乙様龍 |
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この話はまずあまり人には言えないよ、これには若干の訳がある。なぎなた目録のことは、千葉先生の道場から越前藩の松平春嶽に仕える人の事で、そのことを書きますね。(龍馬は恐らくこの前に「北辰一刀流なぎなた免許皆伝」の目録を姉の乙女に送っており、その中に千葉先生の娘の佐那の名前も記載されており、姉がこの人は誰だ?との質問の手紙への返信と考えられます。)この人はお佐那と言います。本名は乙女と言い偶然にも姉さんと同じです。今年16歳になります。馬にもよく乗り、剣も出来、なぎなたも出来、力は並みの男子より強く、まず例えばうちに昔いたギンという女の力量くらいはあります。容姿は平井加尾(龍馬初恋の人「平井収二郎の妹」)より少しいいです琴を良く弾き、14歳の時に皆伝(免許)したようです。こころばえが強く、そこらの男子では及ばず、それでいて物静かな人です。まぁ今の平井平井(龍馬の初恋の平井加尾と同じような感じ)先日のお手紙ありがたく拝見しました。杉山へのお願いの事も拝見しました。この返信はまた後ほど。14日乙女様龍馬 |
坂本龍馬の手紙139通(現代翻訳文)一覧
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